多弦楽器の暴奏

心よりいず、願わくば再び心に至らんことを

心よりいず、願わくば再び心に至らんことを

駒川タナベキネマ

特に興味があったという訳でもいなく、娘が毎週見ているという訳でもない。子供の夏休み最後の・・・と言うつもりもなく、映画「炎神戦隊ゴーオンジャー」と「仮面ライダー キバ」の二本立てを観て来た。というのも、貰い物のチケットが今月一杯までだったし、タナベキネマという映画館に一度行ってみたかったのだ。

まるで時間が止まったような空気に満ち哀愁漂う映画館だった。昔の雰囲気を残している飲食店は何度か入った事はあるが、映画館となると全くない。そこに映画を観た人々の感動や笑いや涙の影を感じる事が出来る。昔ながらの木の肘置き付の赤いベルベット張りの椅子は決して座り心地はいいとは言えないし、映写機も恐らく古いものだろう。しかし、この雰囲気の映画館は今はもう殆どが閉館になってしまっている中、とても貴重な存在に感じられた。

観客は小さな男の子を連れた親子が五組、中年の昼寝をしているおじさんが二人。そして、僕と下の娘の合計14人。一瞬で数えられる。オタクな父親が嫌がる娘を強引に付き合わせて仮面ライダーの映画鑑賞。という訳でもないが、実際かなり面白かった。小さいときに観ていた仮面ライダーと比較して随分変わっている。はるかにカッコいいキャラクターデザインにCGが巧みに組み合わさり、出演者はイケメン揃い。

レトロスペクティブなシネマでハイテク子供向け映画を、興味無さげの娘と一緒に観ている。
もう夏休みも終わりか