多弦楽器の暴奏

心よりいず、願わくば再び心に至らんことを

心よりいず、願わくば再び心に至らんことを

物置に眠るフラメンコギター


正月に帰省した際、家内の実家で古いギターを見つけた。
「ROSE」というラベルが貼ってあって、メーカーなのかモデルネームなのか不明のフラメンコギターだ。家内が言うには親戚のお兄さんの所有していたものらしく、家内自身も学生時代に「ロマンス(禁じられた遊び)」なんかを練習したそうだ。

どこの家でも物置にこんなギターが一台はあるのではなかろうか。

(何故か)1弦だけ切れていて、巻き弦の状態やホコリの積もり具合から察して、有に20年は弾かれていない様子だ。糸巻きは錆付いて、ブリッジ周りの表面板も歪んでしまっているが、ネックの状態は良好。サドルはもう下げようがないところまで下げてあるが、ナット側で下げられそう。

元旦の夜、皆が集まって飲めや歌えやのお正月していると、義理の妹がチェロの演奏し娘がピアノ伴奏をして曲を披露してくれた。ほのぼの心温まる演奏だった。その後、「お前もこのギターでなんか弾け!」見たいな流れになって、家内の父親が自分のカラオケの十八番の「マイウェイ」を弾いてくれなんて言われたものだから困った。私も昼から酒が入っていてご機嫌だったし(その前にカラオケで「完全無敵のロックンローラー」を熱唱していて、もう無敵モード全開!)、久しぶりに人前でギター演奏を披露した。

チェロでメロディーはなんとか弾けるということなので、適当に合わせて伴奏した。よくあるコード進行だからこれぐらいは容易い。1本弦の切れたギターで楽譜なしでいきなり合わせられるのが、観ている方は相当不思議だったようで喜んでもらった。たのしいお正月でした。

又、今度お邪魔するときに、このフラメンコのために新しい弦持っていって弾いて聴かせてあげようと思った。


今日の一枚:古いアナログレコードと粗大ゴミ寸前のフラメンコギター