多弦楽器の暴奏

心よりいず、願わくば再び心に至らんことを

心よりいず、願わくば再び心に至らんことを

頭痛の正体現る

数日前から激しい頭痛に教われた。いつもの事だ。

僕は頭痛持ちで有名(笑)で数ヶ月周期で頭が痛くなる。痛いとひとことで言ってもなかなか伝わらないし表現しづらい。眼球ごとの切れ味の悪い草刈り鎌の様なもので、グリグリとえぐり取られるような痛みがほぼ一日中続き、歯を食いしばっていないと、大の大人の僕でさえ涙が出てくるぐらいの痛みだ。親不知の歯を抜いた時の痛さの約1.5倍位の激痛度。それが数日続いてまた収まって、それが半年後に・・・といった周期があるようだ。

ストレスや運動不足や目を酷使する現代人の生活習慣などが原因という事で、そんな人も多いのだから自分もそういう事なのだろう。頭痛が発症するメカニズムは解明されていても、様々な発症要因の因子が複雑に絡まり合い、根本的な原因は特定しにくいとされているようだ。

実際かかりつけの診療所で診察を受けても、歯切れの悪い言葉しか帰ってこず、首のけん引や低周波治療器などのリハビリ用の機械をやらされて、鎮痛剤出されて「様子を見ましょう。」で、いつも終わってしまう。

ネット検索しても「眼のまわりやこめかみ、額のあたりが痛い」、「ずきずき、ずきんずきん、ガンガン、ドキンドキンなどと血管の拍動する感じで痛い」、など思い当たる症状からして偏頭痛なのだろうと勝手な解釈。「片目の奥がえぐられるようなひどい痛み」、これも該当していて群発頭痛の症状だ。そんな複数ある頭痛のタイプが症状として現れるケースも存在しているとも書かれている。いずれも、リラックスする、筋肉をほぐす、鎮痛剤や安定剤の処方といったところが治療法で、実際に自分対してももそういった治療が行われていた。

周りの人と頭痛の話題で話す機会もよくあり、「肩こりから来てるのでは。」「整骨いいよ。」「針治療で完治したんだ。」「運動した方がいいですよ。」「肩こり体操かなり効きますよ。」といった意見が大半だ。なるべく肩をほぐしたり、ストレッチしたり気分転換したり、それなりに気は使って来た。でも結局は、頭痛持ちは沈痛剤で抑えながら騙し騙し頭痛と付き合っていくしかないんじゃないか、というのが自分なりの回答だった。

しかしどうだろう、気を使っている割に症状の改善が見えないのは何故か?。
鎮痛剤を飲んでも症状の緩和だけで根本的な治療とは言わないのではないだろうか?

といったの疑問が湧いてくる。

今回の痛みも尋常ではないので医者にかかるとして、いつもと同じでは何の進展も期待出来ないとみて、今回はアプローチを変えて耳鼻科にみてもらう事にした。というのも、実は一抹の懸念を抱いていたというか、少し心当たりがない訳でもなかったからだ。

耳鼻科にて診察が始まり症状を話すと即座にCTの撮影となる。パソコンに保存された撮影した画像(データ)をみて、右半分の目の辺りを覆い尽くす怪しげな白い影をカーソルで指して医師は「これは重症ですね。すごく痛かったでしょう。」と話し始める。

病名『上顎洞炎』(じょうがくどうえん)。副鼻腔炎ともいい一般的には蓄膿症というそうだ。ヒトの上顎つまり頭には空洞部分が何カ所か存在する。そこが炎症が起こった際に剥がれた粘液と膿みが空洞部分に満杯に溜まっているのだ。副鼻腔や蝶形骨洞(目の奥)、前頭洞(こめかみ)まで達していることが判明。結果それらが神経を圧迫して激しい痛みが出ている事が解った。

外科手術だと10日の入院、もしくは3ヶ月以上の通院を余儀なくされる事になった訳だが、長年苦しめられた原因を特定出来たのだから、こうなったら辛い頭痛に対してケリを付けようと思っている。

どうして、耳鼻科にいこうと思ったかというと、話は6年前にさかのぼる。

2003年に突発性難聴を煩い、その際に聴覚神経等の状態を診断するためMRIの脳断面の写真を撮ってもらった。確か3枚同じ写真があったと思う。その写真と紹介状を一緒に大学付属病院の担当医に渡すように指示されていたのだか、自分の手違いで1枚家に置いて来てしまった。紹介先の大学病院の先生も特に何も言われなかったし、手続き上は問題なく、ただ自分の脳断面の写真が家に1枚あるというだけの話のはずだった。

当時の診察の際、担当医が「耳の神経が腫れたりしている様子はないですね。あっ、ここの白い影。自覚症状あります?。」「いえ。」と言うと、「耳鼻科もありますから、その内に観てもらって下さい。」と言われた。

何年も忘れていたが、ふと思い出して気になったのだ。それで耳鼻科に観てもらう事にした。あらためて手元にあるMRIの写真の白い影の場所と、今回のCTで判明した神経を圧迫している粘液の溜まっている場所は一致していた。ビンゴである。

何が原因で頭痛が起こるのかはケースバイケースだし特定も困難だが、病気の種類に関係なく「どうもよくならない。」と不安になったら別の医師や病院で相談し観てもらい、異なる意見を聞くのも一つの有効な手段なんではないだろうかと感じた。