多弦楽器の暴奏

心よりいず、願わくば再び心に至らんことを

心よりいず、願わくば再び心に至らんことを

四天王寺秋の大古本祭り

毎年春と秋に行われる古本祭りに行ってみた。

出店している古本屋の各テントに沢山の古本が並べられ、多くの人が掘り出し物や探していた本を求めて賑わっていた。コーナーごとに100円とか300円とか読みそびれて気になった本とかが安いので皆さん大量に買っておられた。児童書や洋書もあったり多種多様で幅広い。

古本と言っても古本チェーン店に置かれているような近年の単行本や文庫本も安く沢山あるが、美術書やら昭和の婦人雑誌等、普段お目にかかる機会がないようなちょっと珍しい本があってついつい見入ってしまう。サザエさんの新聞連載時の4コマ漫画集が数十巻並んでいたり、かつては製本されていたであろうゴミ寸前のボロボロの古文書みたいな黄ばんだ紙の集合体が段ボール箱にぎっしり詰まっていた。

尋常小学校の教科書や六法全書広辞苑。珍妙にポーズする女体の挿絵が描かれた昭和の官能小説や、主婦の為の性行為の心得と体位種類を描き記したもの。この辺りの当時のエロチシズムは今現代のそれと何か存在位置が異なる気がするのは僕だけだろうか。

この古本というマーケットは熱狂的な古文書マニアや収集家のみならず、各ジャンルに於ける古い本を求める多くの人々に支持されて成り立っているのかと思うと、想像以上に巨大で深いものなのかも知れない。そんな本達が何の秩序もなく漠然と並べられていて、これは本好きの人以外でも楽しめる内容だと感じた。