多弦楽器の暴奏

心よりいず、願わくば再び心に至らんことを

心よりいず、願わくば再び心に至らんことを

模倣する博物館

台風が過ぎ、空は秋晴れで日差しは強いが冷たいが風が吹く心地よい日。最近、仕事がまた混んで来たので気分転換にと思い、長居植物園に出かけた。
芝生に座りビール飲んでギタレレの弦をつま弾く。木々や草花を眺めながら散歩し園内にある自然史博物館に入ってみた。

子供の頃に天体や恐竜、昆虫や鳥類の図鑑が大好きで図書館で借りて来ては、そこに書かれている本の世界に自分が入っていくような妄想をよくしたものだ。博物館内を見て歩くと、そんな子供の頃の妄想の中に今度は帰っていくような錯覚さえ感じる。

古代の巨大生物の骨格や微生物といった精巧な模型を見ていると、どれもアートな感じがするのだが実際は逆なのだと解ってはいる。でも、実存した生物そのものが芸術的な造形を有したことに何かを感ずるのか、その造形を模したディスプレイがアートと感じるのかよくわからなくなる。
そんな模型が美しさや力強さが人の手によって演出されたものだとしても、そこに神秘的な要素や生命の多様性を感じられるのであれば、博物館は充分機能し見る人の好奇心に働きかけていると感じた。

まあ、小難しい理屈抜きで、人が少ない静かな博物館は時間を忘れさせてくれて楽しいものだ。