多弦楽器の暴奏

心よりいず、願わくば再び心に至らんことを

心よりいず、願わくば再び心に至らんことを

トレモロに悪戦苦闘の日々


ようやく練習中のタランタの曲の一番弾きたかったトレモロの部分までやって来た。クラシックギタートレモロは4連で、p-a-m-iと指を使う。これに対しフラメンコのトレモロは5連が一般的で、p-i-a-m-i と音が一つ多い。あえて技術的に難易度が高くなる1音多い表現を必要とするのか今の私にはまだ理解出来ない。

実際弾いてみると4連慣れをしていた訳でもないので、運指としてはすぐに弾けるようになった。すると今度は5連が弾けるようになった途端に4連は弾けなくなっていた。4連で「アルハンブラ」の最初を少し弾いてみると、見事に途中からあれよあれよと5連になってしまう。脳が混乱してしまっていて癖とは面白いものだ。

しかし、思っていた以上にトレモロは難しい。音の粒がそろわないし連続した音が繋がって聴こえず、せっかくの美しい曲なのに歯がゆい。。目を閉じ眉間にしわをよせて弾いている姿だけは「いっちょまえ」で奏でる音は「ブツギレ」。もうムキになって毎日2時間の練習を続けていると、変に力が入りすぎて酷い肩こりに悩まされる羽目になった。

少し頭を冷やそうとビセンテの動画を観ると、何とも軽やかに舞い上がるような素晴らしい演奏表現に死にたくなってくる(笑)。そうするとまたスイッチが「ぱちん」と音を立てて入ってしまい、冷やすどころかめらめらと燃え上がり、あっという間に時間が過ぎてしまい、気がつくと肩がぱんぱんに貼ってしまう。悪魔のループだ。

この激情的な習得意欲がいったい何処から湧いてくるのかは解らない。
これが巧く弾けるようになる頃にはもう桜の季節かも知れない。
まだまだ道は遠いようだ