多弦楽器の暴奏

心よりいず、願わくば再び心に至らんことを

心よりいず、願わくば再び心に至らんことを

サドル調整をする。

体も幾分軽くなって来たので今日は新たに弦を張り替えるついでにブリッジのサドル(下駒)を交換・加工・調整した。

オリジナルでも良く調整されていたが、弦高をもう下げてテンション(張力)を少し和らげたかった。現在、プロアルテのハード・テンション弦を気に入って愛用しているが、ノーマル・テンション弦に落とさずに行きたかったので、妥当な判断かと。それと、クラシックギター特有の3弦のオクターブピッチが甘いのも、今回のタイミングで調整して追い込んでみることにした。

オリジナルのサドルは万が一のために取っておいて、別に用意したサドルを加工する。ゴルペ板の型紙とアクリルシートをもらった、U・K氏から頂いたもので、またまた今回も「いいものくれてたんだな。」と感謝。牛骨のサドルで3弦部分はピッチ調整用の加工を最初から施したもので、これまた助かる。普通はこの加工がされたものは見かけない。ヤマハ製だろうか?。

荒目の紙ヤスリ(今回は#40を使用した)と、金属用加工用の中目の金ヤスリで、あらかじめケガいておいた線まで少しずつ削っていく。一気にやってしまうと元の高さには絶対に戻せないので注意を払う。底辺の平面や角度にも気を使いながら削るが、慣れていないので難しい。どうしても両端が削りすぎ易く、側面に対して90度が出ていなかったり。少しずつ・・・何度も確認。

僕の計算では、6弦12フレット高さが、4ミリから3ミリになる様に高さを決めた。12フレットで1ミリ下げるためには、サドルで2ミリ下げる。そういう風に聞いている。そしてセットしてみると今回のサドルはオリジナルに比べて若干薄いようだ。少しガタが大きいので0.5ミリぐらいだろうか。シムになりそうな適当なものを探してビデオテープのケースが良さそうだったので、一つ拝借して切り取りセットすると、ガタもおさまり見た目に目立たない。順調だ。

次に弦を張る。実際はって見ると思惑どおりの弦高で、ずっと弾きやすくなった。合格。それでいてビビリもない。もう少し下げて強いタッチで弾くとビビる感じだったのかな。今回はビビらせないでいたかったので合格。問題の3弦のオクターブピッチも充分過ぎるぐらいジャスト・ピッチなので、これも合格。一般的に弦高が下がると、テンションが下がるので柔らかい音になるといわれるが、さほど違いは感じない。

100点満点で90点を今の自分にあげたい(笑)ぐらいに今回は上出来だった。

こうやって、少しずつ手を加えて自分の楽器にしていくのが、深い愛着につながっていいのではないだろうか。