多弦楽器の暴奏

心よりいず、願わくば再び心に至らんことを

心よりいず、願わくば再び心に至らんことを

頑張れディメオラ。

毎週iTMSでアルバムを購入するのが週末のお楽しみ。
あまり買いすぎるもなんなので、週に1アルバムで我慢しているw。

今日は僕の若い頃からの憧れのギタリストで、アル・ディメオラ(Al Di Meora)。珍しく(いや、全くない)ヴォーカル入りのアルバムを購入してみた。Leonid Agutin & Al di Meora/Cosmopolitan Life という事だ。そうかそうか。どれどれ。

全体的に僕の大好きなラテンポップ調の曲に渋い声のボーカルがかっこいい。意表を突いてかなり聴きやすい系のジャジーでアーバンなポップスなんだけど、リズムのパターンはしっかりヂィメオラしてるものが多い。例のユニゾンもちらちら顔を覗かせる。ただ、ディメオラのからみが多すぎて、ちょっとウザイ気もする。

ディメオラも変わったな。パコ・デ・ルシアとの共演「地中海の舞踏」は圧巻だった。目からウロコがパラパラ落ちて、それを首飾りにしたらどんなに美しいだろうって思った。ギターの速弾きなんて、この人が発祥みたいなもんで、みんな必死になってピッキング練習して、イングウェイなんか出て来たり。で、イングウェイはヴァン。ヘイレンのピッキングはちゃんとアタック出来てないとか、なんか色々あったな。

で、速弾きしか能のない「まるでダメオラ」なんて、さんざん叩かれて、苦しんでもがいて、段々頭が禿げ上がって植毛してから、あの「ワールド・シンフォニア」。あれは素晴らしかった。なんだかんだで何回もブルーノートにライブ観に行った。ピアソラの曲を見事に演奏されたときには「うわぁぁ、やられたぁ!」と思った。わざわざブルーノート東京まで観に行ったな。懐かしい。

東京公演で演奏前のステージにピックが落ちてて、一緒に行ったギタリストの人が、店の人に見つからないようにステージに上がってピックとって来てくれた。今はサイン入りのCDと一緒に大事にしまってある。

実際本人にお会いすると、繊細でリリカルな音楽性の持ち主なので神経質そうな方と思いきや、ラテン系特有の陽気で気さくな人だった。「名前は?」って」聞かれたんで「YUTAKA」って答えたら、アート・タンクボヤチオアンとガンビ・オーティスの三人掛かりで「YUTAKA」をもじって、「ユーテイクミーなんたらかんたら・・・」って唄いだして止まらない。かなりパーカッシブなのりでさんざんからかわれた。どんどん悪のりして盛り上がってテンポアップしていって面白かった。人間性的にマクラフリンとは対局なイメージがした。マクラフリンはひたすらアドバイスというか説教みたいなw。でも、僕の師匠はマクラフリン。

これからも頑張ってあなたしか出来ない「ディメオラ・ワールド」をもっと聴かせて欲しい。オベーション・カスタム・レジェンドを引っ張りだして、あなたの真似をしようとすると、いつも思う。同じギターでもあなたの音は僕には出せない。でも、少しでも頑張って近づいて、「ディメオラっぽいね。」って人から言われたら、それはあなたが素晴らしいんです。