多弦楽器の暴奏

心よりいず、願わくば再び心に至らんことを

心よりいず、願わくば再び心に至らんことを

珍品「Aspri guitar reverb」

部屋をごそごそしていたら面白いものが出て来た。Aspri というギターに直接装着するスプリングリバーブユニットだ。

スプリングリバーブというのはレコーディング機材である。数本のスプリングにスピーカーなどで音を鳴らし、共鳴したスプリングの残響をピックアップで拾う。それを元の音源にミックスする事で空間演出をするためのエフェクト機材。最近はデジタル演算処理したリバーブが主流なので、パッチ名としてしか知らない人もいるようだ。エレキギターのアンプにこのアナログ式のスプリングリバーブが付いているのでギタリストなら一度は・・・
ガッシャーーーン!!!
とやらかして、バンドメンバーの冷ややかな視線を浴びた事は必ずあると思う。

まあ、それのアコーステュックギターに直接取り付けるタイプのもので、かなり珍しいものだ。かなり昔に知り合いのクラシックギター販売専門店の方から頂いたものだ。「○○くんはこういうの好きだろ?」って、まあ良くご存知で。タイムリーにアメリカのギター雑誌の付録にこのAspri を使ってディメオラがソロ演奏したソノシート(懐かしい)が付いていた。

実際に装着してみると演奏そのものには影響ないが、ブリッジ側の弦を引っ張る様にセットするのでブリッジに右手を乗せるタイプのピック弾きには不向きである。脱着は簡単だが、見た目(←ココ重要)が何だかなあ・・・。

問題のサウンドはというと、まさしくアナログリバーブが生音で鳴る。初めて見た人は必ず「な、なにこれ?」とウケるので反応を見るのも面白い。ギターの音色がかなり深みを失いペラペラの軽い音になるようだが、これはこれで使い道は十分あると思う。指引きのソロギターでタッピング系の人がこれ付けて路上パフォーマンスとかアリではないかと考える。ヴォーカルの伴奏には向かない、というか声がノンリバーブでギターだけリバーブ掛かってたらバランスが悪い。

様々な妄想をしながら、装着したギターを数十分間弾いたが、飽きてまたもとのクローゼット内のゴチャゴチャ入れに戻した。恐らくもう使わないと思う。