多弦楽器の暴奏

心よりいず、願わくば再び心に至らんことを

心よりいず、願わくば再び心に至らんことを

アストル・ピアソラ

1992年7月4日にピアソラが没して16年になる。

モダンタンゴの巨匠と呼ばれた彼は、パリの自宅でに倒れて大統領専用機でアルゼンチンに帰国する。こんなアーティスト他にいるだろうか?。その後、数ヶ月の闘病後7月4日に亡くなり、ブエノスアイレスの街は3日間喪に服したという。彼がいかに偉大な存在だったか伺えるエピソードだ。

今日は週末なのでピアソラの音楽に浸ろうとCDを探す。コレクションするつもりはなかったが、意外と出てくる。
La Camorra、Piazzola Classics、The Vienna Concert、Adios Nonino、Summit、Lumiere、Persecuta & Biyuya、Five Tango Sensations、Tango Zero Hour(←これが最高)

ほとんどが没後にCD化されたものが多い。確かピアソラが亡くなって5年後ぐらいに、ピアソラブームがあったのを記憶している。クラシックやジャズの演奏家がこぞってピアソラを取り上げたのだ。

ギタリストとして個人的に好きなのは・・・ピアソラが彼らに送ったとされる、アサド兄弟のタンゴ組曲は素晴らしい。ディメオラも多く彼の曲を取り上げていて、ワールド・シンフォニアの同曲の演奏を大阪ブルーノートで観た時の感動を今でも忘れない。彼がピアソラに捧げた「Last Tango For Astor」を聴くとディメオラがどれだけ影響されたか、解るような気がする。多くのクラシックギター演奏家が「天使のミロンガ」や「リベルタンゴ」を弾いている。

重圧で強烈なリズム。計算され尽くした楽曲の構造。鳥肌が立つぐらいの美しいメロディー。まさしく孤高の存在だ。
アルバムのライナーノーツに、「ピアソラの音楽は大海の荒波を進む船のようだ。」と書かれた言葉を思い出す。

読売新聞の7月6日の夕刊のピアソラの訃報の記事をみて彼が亡くなった事を知り、その新聞を今でも大切に保存している。
まだネットが普及していなかった十数年前の事だ。