多弦楽器の暴奏

心よりいず、願わくば再び心に至らんことを

心よりいず、願わくば再び心に至らんことを

あれはネコじゃない

朝の出来事。いつものように川沿いの堤防の上にある歩行者自転車専用道路を仕事先に向かうため自転車をこいでいました。

カワウがキラキラ光る小魚をくわえていたり、ボラが川面から飛び跳ねたり、あまり変わりばえしない風景です。それでも朝晩は幾分か涼しくなり、気がつくと蝉の声もなく、暑さも山場を越えたようです。

そんなことをつらつらと考えながら川沿いの道も終わりに差しかかる頃、川岸に人工的に配したようなゴツゴツとした岩場があり、そこに一匹のネコがそんな涼しさを感じているかのように寝そべっています。違和感。

それは頭を起こし対岸を見て、それからこちらに振り返り、そして目が合いました。顎が長い。あれはネコじゃない。慌てて自転車を止めてiPhoneを取り出し、カメラを起動し遠巻きにシャッターを切りました。あちらさんはそんな私の一連の動作を首をかしげて見ています。

なるべく脅かさないように近づくと向こうからも近寄ってきます。目がクリクリしてかわいい。タヌキです。それもまだ小さい子ダヌキです。そして、それ一匹ではありません。岩場の影や茂みから何匹も出てきます。餌でももらえると思っているのでしょうか、警戒心もなく近寄ってきて、何ももらえないとわかるといったん距離を置きますが、それでもこちらの様子をうかがっているようです。

おっと、いけません。仕事に向かう途中でした。
もう少し眺めていたいのですが。

今回、遭遇した子ダヌキは痩せていて、ずいぶんスリムな印象でした。この辺りで最初に見たタヌキはまるまると太っていて、ぽんぽこ腹太鼓叩くような感じでしたが。