薬に頼った生活を4年続けている。ちょうど4年前の夏、うまく眠れなかったり、落ち込んだり、意欲が湧かなかったりして寝たり起きたりを繰り返していた。そんな状態がしばらく続き、普通の生活に支障がきたしはじめてたので、家内に電話で状況説明してもらって心療内科の予約をとってもらった。
診断結果は「気分障害」つまり「うつ」だった。「今はいい薬があるから、早い人で3ヶ月ぐらいで良くなります。」そう医者が言った。
同時に心理テストのようなものやカウンセリングが平行して行われた。「実のなる木」などの色んな絵も書かされたし、箱庭療法もやった。そして僕の心の状態を「思春期・青春期のテーマの積み残し」と医者は言った。
「車で言うとフェラーリ、それと昔のマッキントッシュコンピュータだね。性能は抜群。個性、創造力、どれをとっても素晴らしい。でも・・・。繊細すぎて壊れやすいんだね。真面目で責任感の強い人がこの病気になりやすいとことまではわかってるんだけどね。まず投薬から始めましょう。でも辛かったね。よく今まで頑張ってきたね。」そう言葉をかけられ涙が出そうになった。
最初はこころから救われたと思った。これさえ飲めば楽になれる、当時僕はそう考えた。薬を飲み続ける事で心の安らぎや意欲を得られるのならば、今までの自分を維持するためなら、継続的に飲み続けてもいいと思った。そして僕はそれに甘んじてしまっていた。
誰だって日常的にストレスを感じているし、落ち込んだり、めそめそ泣いたりするんだ。勝手に精神に障害を持った病人にしないで欲しかった。確かに僕にだって落ち度は確かにあった。初めて心療内科に行った時「うつ」と言われて納得してしまったのだから。
4年間の膨大な時間とお金と、自分への不甲斐なさ。薬を飲んでは強い副作用に悩まされ、効果が期待できないといっては、薬の数と種類がどんどん増えていく。ひどいよ。急な減薬・断薬は危険なので症状がよくなっても、暫らく飲みつづけてくださいと。
朝昼晩：トレドミン+ドクマチール
就寝前：ロヒプノール
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朝昼晩：ルボックス+ドクマチール
就寝前：マイスリー
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朝昼晩：トレドミン+ドクマチール
就寝前：ロヒプノール
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朝昼晩：トレドミン+ドクマチール
就寝前：ロヒプノール+マイスリー+レスリン
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朝昼晩：トレドミン+ドクマチール+レキソタン
就寝前：ロヒプノール+マイスリー+テトラミド(コントミンやPZCの時期もあった)
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朝昼晩：トレドミン+アモキサン+レキソタン
就寝前：ロヒプノール+マイスリー+ヒベルナ+レボトミン+ヨーデル
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朝昼晩：トレドミン+アモキサン+セディール
就寝前：ロヒプノール+マイスリー+ヒベルナ+レボトミン+ヨーデル+パキシル
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朝晩：トレドミン+セディール+パキシル
就寝前：ロヒプノール+マイスリー+ヒベルナ+レボトミン+ヨーデル+
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このあたりから不信感を持ち始める
こう書くと伝わりにくいが、薬は最初は少量で初めて、じわじわ処方量MAXまであげていく。抗うつ剤や安定剤、睡眠剤は最終的にはMAX量だった。
楽になるどころか言い知れぬ後ろめたさで一杯になっていった。心の病を持っていると悟られないように振舞ったり、人に気付かれないように薬を飲んだり、副作用で気を失って怪我もした。医療費が１割負担になる「障害者自立支援医療」の手帳に書かれている自分の名前をぼんやりと見ていると、
何故自分がこんな事になってしまったのか判らなくなって悲しくなる。どうしてそんな事を繰り返したのか、思い出すだけで涙が止まらない。
抗うつ剤は一時的にうつを治す手助けをする動機付け効果をもたらす薬で、根本的な治療薬とはいえない。薬を止めたら元に戻ったなんて、そもそも治療になっていない。
精神安定剤も不安をごまかしているだけで、非常に依存性も高い。記憶力が著しく低下して、眠くなって、すぐに耐性が出来て段々効かなくなる。睡眠剤も同じだが、数を増やすか、より強いものに変えていくしか道はない。
そうやって長期にわたり継続的に薬を処方し続ける精神科や製薬会社に対し疑問をもち始めた。
大題的にテレビでCMを放送し、「心の風邪」とか言って「うつ」を平凡化し誰でも成りうる病気だからすぐに診断を受けるよう薦める。通院が始まるとパテントの取れた高額のSSRIやSNRIを長期間処方されて薬漬け。これはもう共謀しているとしか思えないプロパガンダだ。診察はこちらが希望しない限り行われないから、何ヶ月も主治医の顔をみないまま。問診表に記入し、看護婦が状況確認するだけで処方箋が発行される。だから減薬の提案もないので、引き伸ばしの治療が延々と続く。利用者が増え続けて国の医療保険の予算がかさみ出すと、5％負担だった医療費を10％負担に引き上げる。ひどいよ。
飲み続けている本人が気付かないと同じことの繰り返しなんだ。一時的に飲むのは良しとして、何か行動を起こさないと事態は何も変わらない。
真実が見え初めて本質に近づくにつれ、ひとつの結論に達した。
もう薬は要らない。もう終わりにしよう。
今まで心を配って、気を使ってくれていた、家族や兄弟、事情を知った友達に心から感謝します。特に家内にはいろんな迷惑をかけてしまった。
ありがとう。
