多弦楽器の暴奏

心よりいず、願わくば再び心に至らんことを

心よりいず、願わくば再び心に至らんことを

蜜蜂とラベンダー

蜜蜂とラベンダー

アシナガバチは肉食系なので幼虫には捕まえた獲物の顎で潰して肉団子を作り与えます。
ミツバチは花の蜜と花粉団子。幼虫が食べやすい形に食品加工しているところはアシナガバチと同じのようです。

足のところにオレンジ色の塊が出来ています。花粉ですね。吸った蜜は巣にいる他の働きバチに口移しで与えられ、花粉団子は貯蔵食となります。

食料を生産し蓄える。巣の拡張と保全をするもの。働きバチや門番、掃除係や幼虫の採餌係など。産卵に専念する女王バチを中心とした分業的階層を持つ社会構造。

「余剰食料の蓄積が非生産者階級の専門職を養うゆとり社会を生み出した。」
ジャレド・ダイアモンド博士の「重・病原菌・鉄」で書かれている言葉です。これについては文化人類学というか人間史とかいう文脈で語られたものですが、この言葉だけでもハチやアリの社会にも当てはまっていると思うのです。

最近でもオスのハチやアリは働かずにサボっているということで「働かないアリに意義がある/長谷川英祐著)で話題になりました。決してオスは怠け者なのではなく、社会として余剰戦力を持つことで有事に備えている。つまり、必要に応じて柔軟に労働力を増減できる組織になっているという。

彼らは労働する意味とか等価交換とか通貨というものは持っていないので、「集団」として女王バチの遺伝子を決して自己犠牲ではなく皆で尽力して繋げていくことが「個」としての遺伝子を残しすことが生物としての役割を果たしているのだと思うと、人もまた然りなのかもしれません。

人間の社会の集団を通じて命を繋ぎ遺伝子を残していくことが、生物としての意味なのだとしたら、この社会の中にありなにかを感じている「個」というものは何なのか。

最近はなにを見てもそんなことを頭の中でぐるぐるとまわり、結構考えをめぐらしたりしているのが面白いものです。