多弦楽器の暴奏

心よりいず、願わくば再び心に至らんことを

心よりいず、願わくば再び心に至らんことを

赤いラ・ベラの視認性

今まで殆どギターの弦はダダリオのプロアルテを張っていたが、たまには試しに違う弦を張ってみたくなり、ラ・ベラのフラメンコ弦を試す事にした。

僕はナイロン弦のギターを17年くらい使っているが、最近はサウンド的に明るい音色を好んでいる。その次期ごとに好みも変わってくるのは、むしろ当然かと。確かにプロアルテはピッチの不良弦の確率は極めて低い、所謂ピッチの精度は素晴らしい弦だ。が、しかし、何かこう個性的な部分がなく万人受けする所がもどかしくなって来て、今回ラ・ベラをチョイスして見た。他の弦は殆ど知らないのでいい機会かも知れない。

張ってみた印象は、まず弦が赤い。これは強烈な印象を与えられたが、何気に新鮮でカッコイイ気がする。音色はとにかく明るい「ブリリアント」な音である。暖かみがあって深い音とは対局なイメージで、音が前に出て軽い感じがする。ギターがフラメンコなので特にそう思えるのか、フラメンコに専用弦を張っているので当然かも知れない。それでいて低音は共鳴胴を充分鳴らせているようで、腰骨まで振動が伝わる。プロアルテでは感じられなかった感覚。楽器と弦の相性と、演奏者の要求している音色などの様々な状況が想定されるので、これはあくまでも今の僕の思う主観的な感想なので注意して頂きたい。

テンションの表記がパッケージになかったので少し不安だったが、かなりノーマルなタッチである。プロアルテのハードテンションと比較すると弾きやすい感じがする。それでいてボリュームがあるのだから、音色重視で合格点をあげられる。

ただ、1・2・3弦が赤いので視認性がむしろ気になった。見えにくいという程でもないが、何かしら色としての違和感を感じる。クリアな透明の高音弦を十何年も見続けたのだから、当たり前だが。プロアルテでも高音弦が黒のものもあるようだが、それはまた次の機会に試す事にする。全体のバランスは非常に良く、今の僕が求めている音色そのもので、ピッチも問題なかったので評価としては高い結果だった。

ただ、視認性が・・・。