多弦楽器の暴奏

心よりいず、願わくば再び心に至らんことを

心よりいず、願わくば再び心に至らんことを

心やすらぐ・・・

「こころやすらぐソロギター」なんとも解り易いネーミングのタイトルのギター曲集である。おまけに「リラクゼーション」という言葉を何の恥ずかしげもなく使うところは、むしろ潔ささえ感じられ、朝の日差しの中、小鳥のさえずりを聞きながら森を散歩する(笑)感じまでして、ストレートである。

コンセプトのいやみは程々にして、最近この楽譜にお世話になっている。クラシックを中心に38曲のギターソロアレンジの楽譜と、デモ演奏のCDが二枚もついている。この上ないお得感(いやいや、普通こんなものなのかも知れない)とドロップDチューニングの曲で好きなのが多く書かれているので買った。

こころやすらぐかどうかは本人の努力次第で、一曲暗譜するのでさえ中年男には時間のかかる作業だ。ましてや、おぼつかない右指の運指に悪戦苦闘して、心休まるどころか挑戦と苛立ちでめらめらと熱くなっていく。まあ、仕事を忘れて没頭できるからいいかも知れない、そう思い今日もタイスの後半に挑む。

この曲の前にマスター(巧く弾けるという意味ではない)した、ショパンノクターンも収録されているが、もう一つ持っている「クラシック名曲集」とはキーもアレンジも随分違う。今回の楽譜のアレンジより、マスター(笑)した楽譜の方が僕は好きだ。楽譜選びも幸せになるためには重要なのかも知れない。

決して自慢にはならないが、買っては見たものの全く手をつけなかったギター曲集が沢山ある。バロック曲集、ボサノバ曲集、シェラザードの曲集。ジャズギターの「ENCYCLOPEDIA OF JAZZ GITAR」は何曲もマスターしたが、これはメロディーをソロギターアレンジで書かれているだけなので、そう難しいものでもないし、じっくり聞かせるほどのものでもない。それをベースに広げるために利用するぐらいで、曲集というものではない気がする。

タイスがまだ終わっていないが、次はどの曲にしようか思案するのが楽しい。バッハの無伴奏チェロやアリアも弾いてみたいし、ニューシネマ・パラダイスも大好きだし、でもまだアルハンブラトレモロが今の僕には技術的に無理。

いつか、フラメンコのソレアが弾けるようになるため、日々悶々と練習。