多弦楽器の暴奏

心よりいず、願わくば再び心に至らんことを

心よりいず、願わくば再び心に至らんことを

二日遅れの準々ウルトラスーパームーン

68年ぶりの超接近ということで期待していた14日のウルトラスーパームーンだったのですが、あいにくの雨で残念な結果となってしまいました。

今回のスーパームーンは地球から月までの距離の遠近差は5万kmになるそうです。5万kmというと尺度が大きすぎるので実感がわきませんが、地球の直径が約1万3000kmといわれているので、およそ地球4個分並べた距離が縮まった状態にある、といえます。これはめったにない。なのに、なのにですよ。たいへん残念です。

いえ、諦めてはいけません。まだ期待は持てそうです。翌日の15日も引き続き接近した状態にある、ということなので希望を持ちましょう。ところが、です。今度は雲に隠れて見られない。運が悪かったでは済まされない、惜しい。

そして二日後です。「ウルトラ」までは行かなくても通常より大きく見える月を見てみたいじゃありませんか。かすかな希望を胸に夜空を仰ぎます。月は出ています。しかし雲に隠れたり薄雲で靄(もや)がかかったりとチャンスはなかなか訪れません。帰宅してからも家に出たり入ったりしながら空の様子を伺い、ようやく雲が晴れたときに月を見ることが出来ました。

だいぶ欠けてしまっているので、もはやスーパームーンでさえない感は否めません。しかし、いつもより明らかに大きく感じます。二日遅れなので「準々ウルトラスーパームーン」というと言葉の使い方が間違っていますが、だいたいそれぐらいのプレミアムな感じで楽しむことが出来ました。

眼鏡越しに肉眼でも暗い海の部分の詳細やクレーターが確認できます。準々ウルトラでも充分大きい。それを双眼鏡でしばらく天体観測。神秘的です。暗闇の夜空に丸い穴が空いていて向こう側が光に満ちている。そんな上空に浮かぶぽっかり空いた穴に吸い込まれそうに感じます。月は要するに夜の世界の太陽からの間接照明ですね。

さらに写真にとって拡大すると月面の様子がよくわかります。放射状に広がる光条と呼ばれる筋が隕石の衝突時の衝撃の凄まじさを伝えています。とにかく新旧、大小の沢山のクレーターに覆われているのがわかります。その表面の文様を昔の人々はうさぎが餅をついているだとか、蟹だとか美しい女性の顔に見立てたりと、ロールシャッハテストみたいですね。

接近状態にあるということは月の重力の影響をより多く受けるということになると思うのですが、そのあたりはどうなのでしょうか。潮の満潮時に、より海面の上昇が起きて何かが作用されてどうにかなってしまうとかないものか。巷では巨大地震を誘発する起因になっている説まであるようですが、都市伝説の域を超えないでほしいものです。