多弦楽器の暴奏

心よりいず、願わくば再び心に至らんことを

心よりいず、願わくば再び心に至らんことを

ギタレレとい名の楽器

長かったゴールデンウィークも今日で終わり。どっぷりとギターに向き合える充実した休みだった。

前半は自分で決めた課題曲「タイスの瞑想曲」の練習と暗譜も順調に半分終わった。その後、10年近く子供のおもちゃとして活躍したギタレレを実家に持ち帰り、初めて新品の弦に張り替えた。後半は何処にも出かけず、ギター関連のサイトをぶらぶらネットしたり、最近ギターに興味を持ち始めた娘達にギターを教えたりした。

このギタレレ、真剣に弾こうとすると、ピッチの甘さと弾きにくさで、僕の中では「所詮、おもちゃ」のイメージしかなかった。今回、初めて(笑)弦を張り替えて、何故かピッチが少しマシになった気がした。元々張ってあった弦が何かは解らないが(やはり、ヤマハのグランドコンサートか?)、試しに少し高価だったがオーガスチンのリーガル(紫)を張ってみたのが良かったのかも知れない。

弾きながらタッチの加減で少しピッチ修正しつつ元々のトイトーンを生かすと、若干ではあるが「こういうサウンド」と割り切れる「個性的な音」と呼べるぐらいは演出できると感じた。以前の、「使えない」感じはしなくなった。ピッチには悪評高いオーガスチンが満を持して送り出しただけの事はある。

よく、「ギターのオクターブピッチが合わない。」と聞くが、納得いくまで色々な弦を試してもらいたい。かなりの確率でハズレ弦の場合もあるので諦めないでほしい。この様なミニギターは相対的にピッチが甘いのはある程度仕方ないが、工夫次第で何とかなるものだし、逆にそのピッチの甘さを生かすような聞かせ方もアリではないかと思う。

抜けの悪い音と曖昧なピッチで「タイスの瞑想曲」を弾くと、それはそれでノスタルジックな雰囲気があって面白いと感じた。ちょうどピントの甘いトイカメラで記憶の途切れそうな風景をモノクロームで切り取るのと似ている気がする。逆に通常のスケールのギターに5カポでこの音が出せるかというと、これはギタレレしか出せないサウンドなのかも知れない。

そしてこれからは、今の娘達にぴったりなサイズの練習用ギターとして活躍してくれるだろう。