多弦楽器の暴奏

心よりいず、願わくば再び心に至らんことを

心よりいず、願わくば再び心に至らんことを

ファッションってなんなの?

とうとう、暑いだとかなんだかんだいいながら、本格的な冬の到来。

一年の半分を半袖シャツで過ごす僕にとって、この冬の数ヶ月間は大好きなコートが着れるので嬉しい。Tシャツはそれはそれで大好きなんで、夏のお楽しみという事で。

明るい目のグレーのヘリンボーンのコートか、しっかりした作りの黒のトレンチコートが欲しくて、色々物色している。最近街行く若者達はダウンジャケットを着ている人がが圧倒的に多い。30代後半の僕にしてみれば、休日はともかく、いささかカジュアルすぎてちょっと着にくい。というか、朝の満員電車でダウンジャケットは暑すぎる。

流行に左右されないつもりではいるのだが、どうやら結局流されて踊らされているような気分になるのは、僕だけじゃないはずだ。

先日、十年以上着ていない服を大量に処分した。昔着てた服ってどうも笑える。どう考えたって合ってないサイジングのものが多い。肩幅が大きくて合ってないし、袖丈や着丈や身幅も大きすぎる。パンツはお腹で履いてツータックのもこもこで裾丈が短い。スーツは皆ダブルで、試しに着てみたらやっぱり「一世風靡セピア」になってしまう。

何というか、当時それが当たり前だったんだから、今では考えられない。服屋さんの店員も当たり前のように勧めて来たので、こちらもその通り買っていた。それに、テレビドラマでも街を歩いても、みんなそんな格好が当たり前だったし。また、あの着方が当たり前の時代がくるのだろうか?。いや、案外わからない。当時70年代のファッションを鼻でみんな「ダサイな。」「アナクロだな。」って笑ってたんだから。

でも、よくよく考えるとアウターってミニタリー系ばっかな気がする。トレンチコートやピーコートも元はと言えば軍用だし、流行のN-3Bや昔流行ったMA- 1もそうだな。近年にみる迷彩柄のカーゴパンツとか、ミニタリージャケット系は多く出回ってみんな着ている。まあ、結局どれをとっても定番のスタイルで僕の若い頃からあって、繰り返されているだけなんだな。アパレルメーカーが「じゃあ、そろそろ今度はこれで。」って感じで、みんな踊らされている。

4年ぐらい前に迷彩柄のパンツが欲しくて色々探し回って、ようやく見つけて喜んで履いてたけど、今じゃ何処でも売ってる。もう、しばらく身に付けたくない。みんなやりだすと、どうも「流行を追ってます!」「いや、乗り遅れてません!」って感じで嫌になる。ダウンジャケットも近年クローゼットに眠っている。かといって、トレンドを全く取り入れないと、どうも野暮ったくなってしまうから、困ってしまう。

今はグレンチェックや千鳥格子なんかの柄を好んで取り入れている。ツイード生地が何だか新鮮だ。まあ。こんなもん繰り返される訳で、またその内流行りだすだろうけど、ベーシックなものは決して姿を消さないから、長い目で使えるいいものをゆっくり楽しみながら選んで行きたい。