多弦楽器の暴奏

心よりいず、願わくば再び心に至らんことを

心よりいず、願わくば再び心に至らんことを

入学式

今日は次女の入学式に出た。下の娘はいつまでも小さいイメージがあって、もうそんなになったのかと時間の流れに戸惑う。

区民ホールでの幼稚園最後の「おゆうぎかい」。ランドセルやら買いそろえて入学準備。そして、卒園式。もうその頃には早咲きの桜が咲いている木があって、卒園式に向かう道中、歩きながら「きれいねえ」と娘と話していたと思ったらソメイヨシノが咲き、満開の木の下ではかなく散り行く桜を見ながらお花見。子供達は春休み真っ最中で僕は一日休暇をもらって三連休。

別れと出会いとか、卒業や入学とか、自分には縁遠いようで結構身近にいろいろあるなあ、と思いながらほろ酔い気分で芝生で寝転がって考える。天気は良く風に吹かれて花びらが舞い散って感傷的になり、トロイメライとかノクターンとかが頭の中で流れ出す。平和で何の不安もなく心は穏やかで、幼かった頃の自分と娘たちがだぶって感じる。

僕の小学校の入学式も記憶の片隅にあって、今日は天気が悪かったので、とても良く似た光景だった。

その日も確か雨だったか寒くて、着物姿で母親がいやがる僕に無理矢理、大嫌いだった白いタイツをはかせている。木造の黒ずんだ校舎に、灰色の重い雲。そこにうす桃色の桜の花びらが、まるでスローモーションのように散っていく。教室に入ると机に僕の名前がひらがなで書いた紙が「おめでとう」と書かれたリボンとともに張ってある。隣の席は僕の好きだった女の子で、「○○くん、お隣やね。」っと笑ってくれた。

入学式が終わり教室に行くと、いつもは見せない緊張した面持ちで娘が座っている。隣は男の子。机には同じように名前がひらがなで書いたのが張ってある。子供を見ながら、自分の記憶を辿る。

明日は7歳の誕生日。



シオちゃん入学おめでとう。そして、誕生日おめでとう。