多弦楽器の暴奏

心よりいず、願わくば再び心に至らんことを

心よりいず、願わくば再び心に至らんことを

ちょっと待てよ「GR-DⅡ」

GR-DigitalⅡが発表され一夜明けた。冷静になってもう一度今回の新機種を考えてみる。


「GR」というブランドイメージや銀塩時代の亡霊を今も尚、
我々ユーザーは見ているのかもしれない。

際立ったサプライズもなく正常進化、つまりモデルチェンジじゃなくマイナーチェンジ。
しかしこのスペックで果たして2年戦うことが出来るのだろうか?。


少なくとも、レンズは旧型機の流用だし、ボディの形状やデザインもほとんど同じなので、光学設計や筐体設計等の開発費は少なく済んでいるはず。しいて言えばノイズ軽減やRAW処理速度向上、デジタル水準器搭載など画像処理エンジンなどソフトウエア的な設計変更のほうが多い気がする。

そして記録素子や操作レバーがGX100と共通部品ということは、これはマイナーチェンジではなくコストダウンなのではないかという疑問すら湧いてくる。となると、今回の新機種は相当の利益を叩き出すことになり、それでいて強気の旧機種同様の販売価格設定の8万円という時点で、どうもリコーのやり口に一抹の疑念を抱く。それを払拭させるだけの描写力に期待が高まるところだが。


しかしどうだろう。少し考え方を変えてみる。


広角レンズ搭載の高級コンパクトデジタルカメラのカテゴリーに属するGR-Digital。今やライバル機不在の独壇場、革新的な進化に本腰を入れるのにはタイミングとして些か早すぎると判断し、今回はマイナーチェンジにあえて留まったということではないかと考える。

それより、生産終了品でしかも新機種発表したにもかかわらず 、旧型機のファームアップを発表するといった良心的な対応には敬意を払ううべき点である。そして尚且つ現在のユーザに旧型機も更に使い続けられるように、新旧共通でで使えるテレコンなどのオプション品を充実させている配慮。

これが旧機種ユーザーさえも視野に入れ見据えた商品企画展開だとすれば、相当はっきりとしたビジョンであり、それが仮に僅かなマイナーチェンジであったとしても、歴史あるブランドイメージは傷つくことなく守られるといった戦略に思えてくる。だから現ユーザーはこの解りやすいコンセプトとして受け入れて、次回の革新的な「本当の意味でのモデルチェンジ」に期待するのが、正当なファンのあり方なのかも知れない。



それと、一夜明けてテレコン欲しくなってきた。(笑)