多弦楽器の暴奏

心よりいず、願わくば再び心に至らんことを

心よりいず、願わくば再び心に至らんことを

消えて行く遊園地

先日、エキスポランドのジェットコースターで痛ましい事故が発生した。
設置基準はあっても、安全基準がないなんてどう考えてもおかしい。未然に防ぐ事が出来たはずなのに。今月一杯は営業停止という事らしい。エキスポランドそのもののこれで終わりだ、という人の声もちらほら耳にする。

考えてみれば、この十年でいくつの遊園地が姿を消しただろうか。原因は今回の事故とは全く無関係だが、恐らく集客能力の低下による収益の減少ではと推測する。そんなに競争原理が働いて淘汰される程、厳しく熾烈な競争だったのか?。ただ単に、利用者が飽きっぽくなったからか?。それとも遊園地そのものが時代遅れの産物となってしまったのか?。

最近閉鎖された遊園地をざっと調べてみた。

1998年05月 玉手山遊園地(大阪府柏市
2001年03月 琵琶湖タワー(滋賀県
2001年11月 八瀬遊園(京都府
2003年01月 伏見桃山城キャッスルランド(京都府
2003年03月 阪神パーク兵庫県西宮)
2003年04月 宝塚ファミリーランド(兵庫県宝塚)
2004年04月 さやま遊園(大阪狭山市)
2004年06月 あやめ池遊園(奈良県
2004年10月 りんくうパパラ(関西空港近く)
2006年03月 神戸ポートピアランド
2006年08月 奈良ドリームランド

そんなふうに胸に思いを馳せながら、仕事帰りに「フェスティバル・ゲート」に寄ってみた。

そこは、きらびやかなゴーストタウンそのものだった。悲しみに包まれた廃墟のような光景がライトアップされている。何か遠い思い出にでも浸ろうとするような人達が、ぼんやり一人でその光景を眺めている。残った数店のテナントが細々と営んで居るぐらいで、遊具は一切稼働していない。三脚を肩に乗せ、うろうろしていると、とても不思議な空間に迷い込んでような錯覚に陥った。

かつてここは都会的遊園地という触れ込みで1997年にオープンした。やはり運営は第三セクターで総工費は300億円とされている。オープンの翌日に家内の妹夫婦と遊びに来たので、当時の様子を良く記憶している。とにかく、「えっ?、こんな所に、この施設?」と度肝を抜かれたものだ。各アトラクションは数時間待ちが当たり前。狭い施設内を縦横無尽に突き抜けるジェットコースターがことのほか大人気だった。とにかく、ぎっしりの人々で連日連夜のお祭り騒ぎで面白かった。入園料は無料で夜遅くまで遊べる。目と鼻の先にJR新今宮駅やあいりん地区があったりして、何かとややこしい地区だったので警備員の多さに驚いたものだ。

約200億円の赤字を抱え2004年に事実上倒産。それでも、テナントが何回か入れ替わったり、アトラクションも細々と運営していた。今年始め、お隣のスパワールドにいったとき、数人の乗客を乗せたジェットコースターが動いていて少しほっとしたものだ。よく子供と一緒に『それゆけアンパンマン』の映画を観に行った「シネフェスタ」は今年3月で営業を終了し、残りのテナントも今年の7月で撤退させられるようである。

http://f.hatena.ne.jp/glasstic-blue/%E3%82%B5%E3%83%A8%E3%83%8A%E3%83%A9%E9%81%8A%E5%9C%92%E5%9C%B0/