多弦楽器の暴奏

心よりいず、願わくば再び心に至らんことを

心よりいず、願わくば再び心に至らんことを

雨の中を走る〜新しいバイク

雨の中を走る〜新しいバイク

f:id:glasstic-blue:20210712191329j:plain

仕事帰りの夕焼け / 阪堺大橋より15号湾岸線を望む

今年は本当に雨が多いと感じます。

日記によると観測史上最速となる梅雨入りが5月の17日。例年より3週間も早い。大阪は瀬戸内海式気候に分類されるよう、どちらかというと雨の少ない地域だそうです。なので梅雨とはいえ、いつも激しく降るイメージはありませんが今年はよく降った。それでいて梅雨明けは例年通りということでとても長く感じたものです。

 

f:id:glasstic-blue:20210818175828j:plain

積乱雲のたもとに虹がかかる / 2021年夏

 

梅雨が明けて本格的な夏到来と思ったら、8月に入って異例の長雨が続きました。前線が本州に停滞して激しい雨が続き、各地に被害をもたらしました。降雨量は年間降水量の半分近くに達するところもあったようです。その分、ずいぶん涼しい日々が続き、寝苦しい熱帯夜の夜もほとんどなく珍しく過ごしやすい夏でもありました。そして9月に入るとまた秋雨前線の影響で雨の降る日が多い。5月からのこの数ヶ月間、全国的に記録的な大雨が頻出し、これも気候変動の表れなのかと感じます。

 

yutaka.hateblo.jp

 

毎日自転車で通勤をしているのですが、雨の日の通勤で怖いと思うことがあります。それはロードバイクのタイヤがよく滑ることです。濡れた路面の白いペイントやマンホールをタイヤが通過する際、一瞬タイヤが滑って怖い思いを何度かしました。雨の時でも制動力を誇るとされるディスクブレーキですが、ブレードが雨に濡れるとずいぶんブレーキも効きにくくなります。なので、雨の日はロードバイクは乗らずに8年前に買ってサブバイク化しているクロスバイクで通勤することにしています。

 

f:id:glasstic-blue:20150522180128j:plain

ビアンキ・カメレオンテ Duo / 当時はこんなに綺麗だったクロスバイク 堺浜第一公園にて

そんな訳で、ずいぶん老朽化したクロスバイクの使用頻度が今年は例年になくとても多くなりました。雨の中走るものですから砂などが一緒に噛んでしまうのか、ブレーキシューのゴムの減りがとても早い気がする。よく見てみるとホイールのブレーキシューで挟み込むリム部分が削れて磨耗して目がとても荒くなっているようです。

 

近くの自転車屋さんに見てもらうと、ずいぶん磨耗が進んでいてホイールのブレーキシューの当たり面の肉厚が非常に薄くなっていて今後このまま乗り続けると大変危険ですね、と忠告を受けた。急なブレーキで力強くぎゅっと握ると割れるかもしれないとのこと。これは思った以上に深刻な問題が浮かび上がったのでした。

 

ではホイール交換しようかなと思ったが、前後輪の新品ホイールと工賃を考える割とそれないりの出費になる。それに8年も乗っているとあちらこちらでガタが出ていて、ペダルを漕ぐとクランクの軸あたりから異音もする。スプロケットもチェーンもずいぶん消耗している。そうなると比較的新しくてしっかりした安い中古のバイクに乗り換えたほうが、雨の中を走ること前提にするのなら何かと安心なのではないかという考えに至った訳です。

 

ということで、中古のクロスバイクかマウンテンバイクを購入しようと探すことになりました。しかし、シティサイクルは別として、そもそも中古のスポーツ系のバイクを取り扱っているお店がほとんどない。ネットで調べて中古を扱っているお店を家からあまり遠くない範囲内で調べてみてあちこち回って行ってみたが、お店もバイクも選べるほど数がない。それに私の身長にサイズが合わないバイクが多い。マウンテンバイクはXSとSばかりだった。値段は2〜3年落ちがだいたい4万円から5万円くらい。

 

店員さんを前にうんうん悩んでいたら、隣のコナーで新車のマウンテンバイクがここの中古の値段にもう1万円ぐらい頑張れば手の届く値段のものがある。見てみたいと店員さんにお願いしてじっくり拝見することにした。脚立を使って高いところから恐々バイクを下ろしてもらい、汗だくでマスクをフカフカさせながら丁寧に、そして時折噛みながら私の質問に答えてくれる若い店員さんが好印象でした。

 

色々と質問をして納得し、新品の実機を前にもう何のためらいも、一切の迷いもなく「これにします。今日乗って帰れますか?。」ということになるのだが、はてこれはと思い起こせば去年の2月、スペシャライズドのカーボンディスクロードを決して買う予定で来店したわけでもないのにもかかわらず、気のいい店員さんに勧められてバイクにまたがった瞬間、「これにします。今日乗って帰れますか?。」といったのとほぼ同じ精神状態でした。

 

f:id:glasstic-blue:20210911144841j:plain

GIANT 21ATX / 雨の日でも安心のマウンテンバイク

グレードとしては初心者用ということでお値段も手頃。メーカーも信頼できる。マウンテンバイクは初めてなのでこれぐらいで丁度、いやこれが一番いいのではと、思えてくる次第で中古を探していた自分はいったい何だったのか。冷静に考えて最初から安い価格帯の有名メーカー品を、という考えで大型スポーツバイク店を回ればよかったんじゃないかな。エントリークラスということでサイドスタンドにベルまで標準装備の仕様。ペダルだけ持て余していたSPDのものにつけてもらいました。

 

ということで、私のバイクの仲間が増えて、その代わり長年乗ってきたビアンキクロスバイクとはお別れ、そう処分することとなりました。勤める設計事務所のお客さんの工場移転に伴い、2013年の10月から片道12kmの通勤が始まってはや9年の日々が流れていました。その最初の時からFELTのグラベルロードに乗り換えた2017年までの4年間、ずっとこのバイクで通勤しました。それからは次女の高校の通学に使われたり、私のサブバイクとして雨や嵐の中私と共に走ってくれました。想い出がいっぱいです。ありがとう。そしてさようなら。

 

しかしマウンテンバイク、なかなか楽しい乗り物ですぞ。フロントフォークにサスペンションが入っているので段差はほとんど気にせず乗り越えて問題ない。前輪ブレーキをかけたり、段差乗り越えるときのフロントフォークがフワフワ沈む感じが何とも違う乗りものに乗っているような感覚で新鮮。

 

ただ重量がロードバイクの8kg(決して軽いほうではない)に対して15kg近くあるので感覚としてはかなり重たいので漕ぐのも疲れる。タイヤの幅も広いので走行抵抗も増えていることもあるようで、ロードバイクでの私のささやかな巡航速度に全くをもって達していないのに、2倍汗を掻いているような感じです。

 

要するにロードバイクが「長距離を走る」、あるいは「速く走る」ということにこだわって設計し軽量化されているということは、実は人間を如何に省エネルギーで高い出力を得れるかということだったのかと改めて思い知らされました。

 

yutaka.hateblo.jp

 

ちなみに最近コロナ禍で見直されている自転車。中でも普及拡大しているアシスト自転車は車体重量はおよそ20kgあるそうです。チャイルドシート搭載のママチャリだと30kgを超えるそうで、そこに例えば50kgの女性が20kgの子供を乗せて食材やらペットボトル飲料やら乗せると100kgは優に超えるんではないでしょうか。アシスト機構が備わっていて漕ぐ力は軽減されるかもしれませんが、加速しやすい分走り出したら止まりにくいはずです。ましてや、子供を乗せた状態でスマホを操作しながら走られているのを見ると心配な限りです。今のママさん時間に追われて忙しいのでしょうが一旦自転車を止めてからスマホしてください。

 

話はまたそれましたが、新しいバイクは楽しくて毎日通勤で乗っています。というのも先に書いた秋雨前線の影響で一日のどのタイミングで雨が降り出すかというのが判断しにくいので、もう最近は割り切って降水確率がそこそこ高いとマウンテンバイクで通勤することにしています。実際に雨の中、マウンテンバイクで走ってみるとタイヤが太いとか振動をサスペンションが吸収してくれるとか乗車姿勢が楽だとか色々あって、とても安定感があるのが感じられます。元々どんな悪路でも走れる設計になっているので、そこは問題ないといったところです。

 

降りしきる雨の中、レインジャケットを打つ雨音。地面や河川に降り注ぐ雨音が重なり合って穏やかなノイズ音が当たりを覆い尽くしている。そんな音を聞きながら大和川沿いのサイクリングコースを走るのは神秘的な体験をしているかのようで私は好きです。これがなければウエアが蒸し暑くて視界が悪くて、何より濡れたウエアやバックの後始末やら何やら、ただ面倒なだけですが、走っている時は気持ちが良いものです。最初から濡れて困るものなんて身につけいませんし、濡れて困るのは家内に持たせてもらっているお弁当ぐらいのものですから。

 

 

番外

f:id:glasstic-blue:20210915181238j:plain

雨上がりに当たり一面に出現する毒キノコ / オオシロカラカサタケ  

大和川の河口近くの堺浜ふれあいビーチ近くの芝生のあちらこちら。雨が降った翌日に白いキノコがニョキニョキ生えていて可愛いなって。。。毒キノコです。

 

f:id:glasstic-blue:20210910135545j:plain

匠町の職場に現れたキリギリス