まる二日間、蝶を追いかけた。
アゲハチョウ、モンシロチョウ、シジミチョウの仲間、ゴマダラチョウ、アオスジアゲハ。幼い頃から慣れ親しんできた蝶を追いかけた。なかなかうまく捕れないのがまた楽しいものだ。虫籠もないし、そもそも捕まえて所有する気もないので網で捕まえたらじっくり観察して放してやる。羽根を摘むと同じ模様の鱗粉が指に転写される。
少し気になったことがある。オレンジ色の美しい蝶が多いのに気付く。あの蝶は何という種類なのだろうか。自分の記憶ではあまりあの蝶は印象は残っていない気がする。
かなり見難いがツマグロヒョウモンの写真
調べてみると、ツマグロヒョウモンという蝶でタテハチョウの仲間だそうだ。1980年代以前は近畿地方のより西側に生息していた。地球温暖化の影響や低温でも生息できる適応力の獲得、もともとの繁殖力の強さや餌となる植物の分布など、様々な原因で生息範囲が北上し拡大しているようだ。
ツマグロヒョウモンの分布
http://www.mikke.go.jp/fun/report/2010/tsumaguro_hyomon.html
あと、気になったのがアライグマだ。最初はそんなことはないだろう、狸か何かを見間違えているのではと思ったが、たしかにいるそうで、農作物に被害が出ているのそうだ。最近も親父がアライグマ見たと語るし、同じ街に住む叔父の家の何かの実もやられたと話す。北アメリカ原産のものが、実は日本に生息していたとはどうも考えられないし、恐らく誰かがペットとして飼っていたもの(アニメ・あらいぐまラスカルの影響も当然あっただろう)が逃げ出して野生化したものだと思う。
関西でも兵庫県伊丹市と尼崎市で、この7月8月でアライグマに人が襲われる被害が7件続いている。
逆に見なくなったものにも気付いた。日の当たらない湿ったところに生息していた羽根の黒いハゴロモトンボやイトトンボは数年前までは確認できたが今年は一匹も見なかった。
少しずつではあるが、確実に自然の生態系は変わっていく。それは地球上で生物の発生と共に起こって来たことだし、これからも変わり続けていく。