今年は昨年ほど昆虫や動植物の観察活動に熱が入らず疎かになってしまい、同じモチベーションを保つのはなかなか難しくなって来ているようで、遂行能力の欠如が著しいです。
とはいえ、自然の中に身を投じるということがストレスの発散になるというのを何かで読んで、森林浴によるストレスホルモンの低下と免疫力の向上を目的に、林の中を分け入ることになりました。
長雨続きだったため湿った林の中に水溜りができている。しばらく佇んでいると小鳥たちが集まって来て、せっせと水浴びが始まりました。シジュウカラとメジロです。
重い腰を上げて来てみてよかった。こんなかわいい光景が見れたんだし。メジロがあとからやってきて自分も混ぜてくれって感じが面白いです。何かの気配で真っ先に逃げてしまいましたが。こうやって自然の中にいると何かしら面白いことが出会えるものです。しみじみそう感じます。
そう思って歩きだすと何やら白いボール状のものが足元に落ちている。猫の頭蓋骨?。違うようです。それは数メートル範囲にいくつも落ちていて、というか地面から這い上がってきているのか、枯れ葉に埋まっているのか、こんなもの見たのは初めてです。全く意味がわからない。表面に丸く陥没したところが何箇所かあって、もののけ姫に出てくる木の妖精の顔のようにも見えます。
推測するに「きのこ」のようなものであると結論に達したのですが、なにか腑に落ちない。きのこって傘があって茎があって、あれですよね。
その近くにあろうことか、およそ直径300ミリオーバーの超巨大な同種と思われる個体が転がっている。なぜだか何者かによって破壊された状態です。潰れているとはいえ超でかい。そしてやばい。何がやばいのかわからないのですが。観察してみると中はしっかり詰まっているようです。傘上のものが中空状態で丸く膨らんでいるのではないということです。足で突くと弾力があります。マシュマロやはんぺんより固く、ソフトボールよりは柔らかい感覚です。
状況から鑑みておそらく、私と同じ疑問を抱いた人が謎の物体を試しに潰してみた、といったところでしょう。初めて目にするものに対しこれは誰しも思うところではないでしょうか。ただ人によって、何かわからないままでいいので近寄らない。あるいは試せることは十分注意を払いながらやってみて知っている事柄と照合し比較してみる、に分かれるところではありますが。あいにくキノコ、粘菌あたりのジャンルに関して浅学なもので知識が到底及ばないので、一旦帰って図鑑でも買ってきて出直してこようと思ったほどです。
しかし、あまり今まで頓着していなかったので気づかなかったのですが、そんな目で地面を見ていると、これが結構あるものだと気付かされました。ここにもあそこにも生えているじゃないですか。キノコですよ。じゃあ今日はキノコ探しをしてみることにしました。
歩きながらだとまず目につかない。探そうと目線を低くすると小さなキノコたちが浮き上がってきます。触っても大丈夫なのか、有毒でだめなのかさえ解らないので慎重になるべく触らいようにしています。
調査開始後すぐに遭遇したかなり大きめの2種です。同種で成長時期が異なるのか、全く別種がたまたま近くで仲良く並んでいる状態なのか、申し合わせて生えているかのよう。iPhoneで画像検索して似ているものを探すのですが、全く特定できない。微妙な違いがよくわからないのです。詳しい方だとすぐに分かるんでしょうね。
地面からだけではなく木の幹からも発見。種類として大小9種類見つけました。違う種類だと思っていても、傘が開ききっていないものと完全に開いたものを別種だとカウントしているかもしれません。
這いつくばって探して撮影していると面白いことに気づきます。小さなキノコたちの生えている並びが自然じゃないのです。すべてがというわけではないのですが、一直線上に並んでいたり、同一円上に並んでいたりするのです。*1訳がわからないことばかりで浅知恵をひねり出しても何も出てこない。
しかし、「そんなことをしに来たはずじゃなかったのに感」がするものの、知らない世界を垣間見たようで、節穴だった私の目は今まで地面の一体何を見ていたのでしょうか。明日、キノコの図鑑を買いに行くことにします。ネットと両刀で種類の特定をすることにしてみましょう。